現場で使える3つのプロンプト術
これまで、AIは私たちの仕事を奪う敵ではなく「看護の本質」に集中するための頼もしい助手であること、そして日々の業務を効率化する具体的な活用法をお伝えしてきました。
今回は、AIを活用する上で絶対に避けては通れない最大の壁、「ハルシネーション」をいかにして防ぐか、その具体的なテクニックをお伝えします。
■ ハルシネーションとは?
ハルシネーションとは、AIが「事実ではないことを、さも本当のことのように自信満々に答える現象」のことです。
例えば、「この薬の副作用を教えて」と聞いた際、AIが実際には存在しない副作用を、もっともらしい専門用語を並べて回答してしまうことがあります。命を預かる訪問看護の現場において、この「AIの嘘」をそのまま信じてしまうことは重大な事故に直結します。

■ ハルシネーションを軽減する「3つのプロンプト術」
AIの嘘を完全にゼロにすることは現在の技術では困難ですが、こちらからの指示(プロンプト)の書き方を工夫することで、その発生確率を劇的に下げることができます。
1. 情報源を限定する
AIに自由に考えさせるのではなく、こちらが用意した資料(カンニングペーパー)の中だけで答えさせるのが最も効果的な対策です。
- プロンプト例: 「以下の【ステーションのマニュアル】のみを根拠にして回答してください。提供した情報以外からは絶対に推測しないでください。」
2. 「分からない時は『分からない』と言う」ルールを徹底する
AIは「何か答えを出さなければ!」と頑張りすぎて、結果的に嘘をついてしまう傾向があります。そのため、あらかじめ「逃げ道」を作ってあげることが重要です。
- プロンプト例: 「もし情報が不足していて確信が持てない場合は、決して推測で答えず『分かりません(情報不足です)』と回答してください。」
3. 「思考のプロセス」を書き出させる(ステップバイステップ)
いきなり結論を出させようとすると、AIの論理が飛躍しやすくなります。結論に至るまでの考え方を順序立てて説明させることで、AI自身の客観性が高まり、より精度の高い回答を引き出せます。
- プロンプト例: 「まずは現在の課題を整理し、それぞれの解決策を検討した上で、結論を出してください。ステップバイステップで論理的に考えてください。」
■ 最後の砦は「人間の目(ファクトチェック)」
どれだけプロンプトを工夫しても、AIは間違えることがあります。
特に、薬の用量、新しいガイドラインの基準、各種制度の適用条件など「事実確認が必要な医療・介護情報」については、AIの回答を決して鵜呑みにしてはいけません。必ず一次情報(公式なマニュアルや添付文書など)と照らし合わせる「ファクトチェック」を行うこと。これこそが、私たち医療従事者が果たすべき絶対的な責任です。

■ まとめ
AIというテクノロジーは、決して冷たい機械ではありません。私たちが抱える事務作業や記録に追われる時間を引き受けてくれることで、目の前の利用者様としっかり目を合わせ、手を握り、心を通わせるという「看護の本来の姿」を取り戻させてくれる最高の相棒です。
すけさん訪問看護ステーションは、これからも最新のテクノロジーを安全かつ積極的に取り入れながら、地域の皆様へより温かく、質の高いケアをお届けしてまいります。
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参考・引用文献
- YouTube解説動画 『ハルシネーション(もっともらしい嘘)を防ぐプロンプト術』
- すけさん訪問看護ステーション ブログ連載 『訪問看護×AIの未来』第1回〜第4回


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